当時、関西学院大学の学生だった松田さんという女性がリミッツを取材してくれた。
2017年の大阪での最初で最後(?)の世界大会でのことだ。
10分足らずの映像なので、最近リミッツを知った人にはぜひ見てほしい。
よく自問自答する。「リミッツは誰を幸せにしたいのか」
ビジネス。カルチャー。いろんな切り口があるけれど、初心を忘れるべからず。後から多くの人が関わってくれて、多くの人たちがもっともっと大きくしようとしてくれているけれど、ここがブレてはいけない。
俺はここ数年、悩みに悩んでいた。リミッツは誰のものか。
言葉として表現するのは非常に難しいが、この映像に答えがあった。すでに自分も今の統括をやってくれている3年前の藤田くんも言ってた。藤田くんも今やリミッツに欠かせないリーダーとなってくれている。
シンプルにいうと、リミッツは出場するアーティストのものなんです。俺らは場所や機会を提供しているだけ。
もちろん、有名になってもっと大きな場所にしたいし、大きなチャンスにしたい。
でも、常に気持ちはアーティストに向いてなきゃいけない。
俺らは大きな組織ではないから、俺らにしかできないことがあり、そこにブレない軸があるから、大きな企業がそれを支えてくれる。たった3年だが、それでも3年、いやそれ以上この事業をやってきた。
権利って、リミッツを構成する上でも非常に重要なファクターで、創設以来、リミッツで行われた試合の権利は誰が有するのか、あまり多くを決めずに進めてきた。(もちろん著作権はアーティストのものであります。)
権利はビジネスにとっても非常に重要で、絶対蔑ろにはできない、アーティストにとってイコール自分であり、未来であり、可能性である。誰がどう権利を持つか、どう利用するかで結構な重要性を決めてしまう。
それを四角四面で閉じ込めて囲い込みたいとは思わないし、過去にトラブルがなかったわけではない。
でも、そんな時でもいつでもアーティストが俺らを信じて楽しんで出場してくれるからこそ、彼らのために場所を提供できたし、これからもそうありたいと思う。
非常に閉塞感のあったクリエイティブ業界は、ここ数ヶ月でさらに先行きの見えないものとなった。
こういうことを俺が語ることを良しとされているのかどうか分からないが、正解はないと思っている。むしろ結果論で見たときに、業界をよくできてないとすればそれは自分の力不足だと思う。
ねばならない、絶対こうあるべき。で考える必要はない。なぜなら、俺らはきっかけを提供するしかできない。
間違いのないことは選択できるけど、答えは一つじゃないし探し続けないといけないし誰かが決めないといけない。
より良いコンディションで、アーティストがパフォーマンスをする。高尚なことだけをしたわけではなく、俺がこれからもアーティストの目線で考えることは、一つの正解に近づく鍵であるとも思っている。
ビジネスにもしたいし、カルチャーとしても大きくしたい。けど、それは目的ではない。
マネタイズもしっかりしないといけないし、結果全員を幸せにできるわけではないかも知れない。
リミッツにおいてもここ数ヶ月は転換期であり、今一度足元をしっかりと見定めて舵を切っていかないといけない。ポジティブに、アーティストを信じて進むべき道を見つけよう。
互いを信じて進む、それが少なくとも何事においても大事。
改めてそう思わせてくれた、思い出させてくれた映像でした。
記録って大事だな。言葉って残ることにはすごく大きな意味があるな。適当なことは言えないな。笑
松田伊勢乃さん。ありがとう。元気にしてるかな。